今、大麦若葉が健康をサポートする栄養素を豊富に含んでいるとして大きな注目が集まっています。
特に現代日本は高齢化が進んでおり、健康についての情報は今後もますます注目されることでしょう。
健康への効果を謳った商品も需要を高めていくに違いありません。
そこで今回は健康食品の代名詞ともいえる青汁の原料、大麦若葉とはなんなのか?
その人気の秘密から栽培方法まで、大麦若葉にまつわる情報についてまとめました。
目次
1.大麦若葉とは
大麦若葉とはその名の通り大麦の若葉。大麦は小麦やライ麦など、麦類の仲間です。
葉が小麦よりもやや短く、発芽したばかりの状態で、小麦よりもやや大きくみえるのが特徴です。
なぜ若葉が注目されているかというと、大麦は若葉の時に一番栄養価が高いから。
草丈が20cmくらいの大麦と60cmまで育った大麦ではカルシウムが1.6倍、カリウムは1.35倍もの違いが表れます。
2.大麦若葉に含まれる6つの栄養素とその効果
大麦若葉の特徴は、豊富な栄養がバランスよく含まれていることです。
体に良い栄養素はたくさんありますが、特定の栄養素だけを摂取してもうまく機能しないもの。
なぜなら栄養素は1つだけではうまく働かず、さまざまな栄養素が相互に影響し合うものだからです。
大麦若葉の効果を詳しく説明するためには、それぞれの栄養素について理解していただく必要があります。
そのため以下に主な栄養素と大麦若葉の100gに含まれる栄養成分の量を紹介します。
栄養素.1 SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)
ビタミンやミネラルと違い、あまり聞きなじみのない成分かもしれませんが、スーパーオキシドディスムターゼとは
○スーパーオキシド = 活性酸素
○ディスム = 分解
○ターゼ = 酵素
分かりやすく日本語にするなら「活性酸素を除去する酵素」。
SODは強力な抗酸化作用を持つ酵素の1つなのです。
抗酸化作用とは活性酸素を抑制する働きのこと。
ここで少し活性酸素について解説します。
活性酸素とは
活性酸素にはウイルスや病原菌から体を守る役割があります。
もし活性酸素がなければ、私たちはあっという間にウイルスや病原菌に侵されてしまうでしょう。
この説明だけをみると活性酸素は増えれば増えるほど体が丈夫になるように感じられます。
それではなぜ活性酸素を抑制する必要があるのでしょう?
本来ウイルスや病原菌を攻撃する活性酸素は、増えすぎると守るべき対象であるはずの体を攻撃し始めます。
具体的には細胞膜を構成している脂質と活性酸素が結合し、毒性のある過酸化脂質になってしまうのです。
細胞は細胞分裂によって日々生まれ変わっていますが、細胞内のDNAが活性酸素によって傷つけられてしまうと、細胞が分裂できずにそのまま消滅してしまいます。
この現象が肌細胞の中で起こるとシワやたるみの原因となってしまうのです。
それ以外にも体調不良を引き起こしたりガンの原因になったりとさまざまな病気の原因となります。
少量では良い効果をもたらす活性酸素も増えすぎは体に毒。
活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活をしていると過剰に生成されてしまいます。
現代人は特にストレスを抱えている方が多く、活性酸素が足りないことを気にするよりも多くなりすぎることに注意するべきなのです。
単純に活性酸素とひとくくりにされることが多いのですが、実は活性酸素もいくつかの種類に分けられます。
そんな活性酸素の中でも最も多く生成されるのがスーパーオキシド。
スーパーオキシドは体中の細胞で体を動かすたびに大量に発生します。
発生してしまうものは防ぎようもありません。
問題は発生したスーパーオキシドをいかに抑えるかという点にあります。
そこで登場するのがSOD。
SODは毎秒10億ものスーパーオキシドを分解する力があります。
本来私たちの体にはスーパーオキシドが発生した時、それに対抗するためSODを作り出す働きがあるのですが、年齢を重ねるとSODの生成量が減ってしまいます。
老化を防ぐためには体の外からなんらかの方法でSODを補う必要があるのです。
栄養素.2 ペルオキシダーゼ
ペルオキシダーゼはSODと同様、抗酸化作用を持つことで知られています。
SODとの違いは分解する活性酸素が違うことです。
SODはスーパーオキシドを酸素と過酸化水素に分解する働きがあるのですが、この過酸化水素も活性酸素の1種。
ペルオキシダーゼは過酸化水素を分解する働きがあるのです。
大麦若葉に含まれるSODとペルオキシダーゼは他の緑色野菜よりもはるかに多く、大麦若葉の特徴を語る上では欠かせない要素となっています。
栄養素.3 ビタミン・ミネラル
ビタミンとミネラルはヒトが生きていくためには絶対に欠かせない栄養素です。
動物の中には体の中でビタミンを合成できる種もいますが、人間にはそれができません。
そのため体外から必要な分を継続的に摂取しなければいけないのです。
ビタミンもミネラルも種類はさまざまなため、一概に効果を説明することはできません。
大まかには
○ビタミン = 三大栄養素であるたんぱく質・糖質・脂質の代謝を助ける働き
○ミネラル = 微量ではあるが体に欠かせない栄養素
と考えておけばいいでしょう。
ミネラルについては、骨はカルシウムでできている、血液が鉄を含んでいる、ということからもお分かりいただけると思います。
ビタミン・ミネラルは日々の食事の中で栄養バランスが取れているのであれば、必ずしも青汁やサプリメントから補う必要はありません。
しかし食事のたびに栄養バランスなんて考えられていない、という方も多いはず。
足りないビタミン・ミネラルを補うためにも大麦若葉は効果を発揮します。
栄養素.4 カテキン
お茶に含まれている栄養素として有名なカテキン。
名前だけは聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
カテキンは植物の光合成によってつくられる色素成分。
野菜や果物に多く含まれることで有名です。
当然大麦若葉にもカテキンは含まれています。
カテキンの効果で有名なのは抗酸化作用と殺菌効果。
血中の脂質量を抑える効果にも注目が集まっています。
栄養素.5 クロロフィル
見慣れない成分名ですが、要は葉緑素のこと。植物が緑色なのはこの葉緑素があるからです。
葉緑素は太陽の光と二酸化炭素からエネルギーを生み出すために欠かせない物質です。
クロロフィルはダイオキシンやカドミウムといった魚や肉に含まれる毒素と結びつき、体外に排出する役割があります。
また細胞を活性化させる働きももっているなど、ダメージを受けた細胞を健康にする働きを持っています。
栄養素.6 食物繊維
大麦に含まれる食物繊維は高い粘着性を持っており、胃腸内をゆっくりと移動します。
そのため適度な満腹感を感じることができ、食べ過ぎを防ぐ働きがあります。
他にも整腸効果、便通改善効果が期待できるため便秘になりがちな女性は積極的に摂取したい成分です。
大麦若葉の粉末100gに含まれる栄養成分の量
大麦若葉粉末100gについての分析結果は下記のとおりです。
項目 | 含有量 |
エネルギー | 388kcal |
たんぱく質 | 32.6g |
脂質 | 7.1g |
糖質 | 7.3g |
食物繊維 (うち水溶性食物繊維) (うち不溶性食物繊維) |
41.1g (1.6g) (39.5g) |
ナトリウム | 310mg |
ビタミンB1 | 0.64mg |
ビタミンB2 | 1.47mg |
ビタミンB6 | 0.55mg |
ビタミンB12 | 0.7㎍ |
ビタミンC | 70.0mg |
ビタミンE | 11.9mg |
ビタミンK | 3700㎍ |
ビオチン | 8.0㎍ |
パントテン酸 | 1.92mg |
総カロチン | 25380㎍ |
葉酸 | 400㎍ |
ナイアシン | 4㎎ |
カルシウム | 290mg |
マグネシウム | 160mg |
カリウム | 3200mg |
リン | 370mg |
亜鉛 | 3.4mg |
銅 | 1.02mg |
鉄 | 41.6mg |
マンガン | 4.0mg |
クロム | 0.31mg |
アスパラギン酸 | 3400mg |
アラニン | 1800mg |
アルギニン | 1600mg |
イソロイシン | 1200mg |
グリシン | 1500mg |
グルタミン酸 | 3700mg |
シスチン | 370mg |
スレオニン | 1300mg |
セリン | 1200mg |
チロシン | 860mg |
トリプトファン | 470mg |
バリン | 1600mg |
ヒスチジン | 620mg |
フェニルアラニン | 1500mg |
ブロリン | 1300mg |
メチオニン | 560mg |
リジン | 1600mg |
ロイシン | 2300mg |
オクタコサノール | 21mg | カテキン総量 | 120mg | カフェイン(無水) | ー | グルコン酸 | 3300mg | ポリフェノール | 1.42g | 葉緑素 | 783mg | ルティン | 54mg | SOD | 54000unit | γ-アミノ酪酸 | 46mg | β-グルカン | 15300mg |
3.大麦若葉が一般的な食材でないのはなぜか
上に説明したように、大麦若葉には豊富な栄養素が含まれており健康増進に大きな期待ができることは疑いようもありません。
にもかかわらず、大麦若葉をスーパーでみかけることはありませんよね?
大麦若葉が一般的な食材にならないのは、硬い繊維質が原因です。
繊維質は放っておいても分解されないだけでなく、胃や腸の中でも消化されにくいのです。
大麦若葉の有効成分は繊維質の中に多く含まれているので、他の食材のように料理に使用できないのが難点。
全く流通していないわけではありませんが、ごく一部の店舗でしか取り扱いが無く、一般的なスーパーでは置いていないことがほとんどです。
出典:興和株式会社 ベジリッチ
栄養素を取り出すためには圧力をかけるなどして抽出する必要があるため、大麦若葉を摂取するとなるとどうしても青汁やサプリメントといった限られた手段だけになってしまうのです。
4.大麦若葉を摂取できる青汁って美味しいの?
栄養素が豊富な大麦若葉ですが、大麦若葉そのものが入手困難な上、栄養素を失わずに調理する事はなかなか難しい。
となると、やはり一番簡単に摂取する方法は、大麦若葉が主原料の青汁を飲む事です。
とはいえ、青汁というと「マズイ!もう一杯!」をキャッチコピーにしたCMがあったように、マズイもの、苦いものというイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、いくら健康に良いとはいえおいしいものでなければ飲み続けられません。
そういった消費者の声を反映してか、最近は苦みが抑えられ飲みやすい青汁も数多く販売されています。
今後も大麦若葉・青汁の人気が落ちることは考えにくいでしょう。
大麦若葉のおすすめ青汁 えがお 青汁満菜
えがお 青汁満菜は、九州産の大麦若葉をベースとした青汁です。大麦若葉のほかに、長命草やケール、桑葉など豊富に含まれています。
大麦若葉とならんでこだわり原料になっているのが沖縄県与那国島で作られた長命草です。
この長命草は、人間にとって重要な栄養素を豊富に含んでいますが、注目すべきはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸やビスナジンです。
ポリフェノールの含有量はゴーヤの7倍、高い抗酸化作用があり病気の予防や、女性にはうれしい美容の効果も期待できます。
味は、大麦若葉に抹茶と緑茶が配合され、麦芽糖がほんのり甘く口当たりの良い青汁に仕立ててあります。
>>えがお 青汁満菜の詳細はこちら
おすすめポイント
○九州産の大麦若葉を含め18種の健康グリーン素材配合
○微粉砕加工で細かな粒は驚くほどサラッとなめらかなのどごし
○安心・安全、良質な栄養素を届けるため収穫後すぐに加工
5.大麦若葉の青汁はダイエットに効果的?
大麦若葉はもちろん、青汁に含まれるケールや明日葉などの葉物野菜には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には空腹感を紛らわせる働きがあるため、ダイエットに効果的だといえます。
青汁を利用してダイエットするのであれば食前に飲むようにしましょう。
>>大麦若葉のおすすめ青汁
とはいえ青汁さえ飲んでいれば痩せるわけではありません。
青汁を飲んでいるからといって食べ過ぎてしまってはせっかくの努力が水の泡。
あくまでダイエットのサポートとして取り入れるようにしましょう。
6.大麦の用途
今回は大麦の若葉について解説しましたが、大麦の用途は青汁だけではありません。
ビールやウイスキーに大麦が使われているのは世界的に有名ですし、日本では麦焼酎や麦茶、味噌や水飴などさまざまです。
家畜を育てるための飼料としても使われるため、今後も大麦栽培が廃れることはないでしょう。
種類 | 主な用途 | 主な原料麦 |
六条大麦 | 押し麦、麦茶 | 国内産、カナダ産 |
二条大麦 | ビール、焼酎 | 国内産、オーストラリア産 |
はだか麦 | みそ | 国内産 |
7.大麦の種類
大麦は「六条大麦」と「二条大麦」に分類できます。
また、六条大麦と二条大麦はさらに「皮麦」と「裸麦」に分けられます。
大麦の分類 | 主な用途 | ||
大麦 | 皮麦 | 二条大麦 | ビール、焼酎 |
六条大麦 | 麦茶、押し麦 | ||
裸麦 | 二条大麦 | ビール、焼酎 | |
六条大麦 | 押し麦、米粒麦 |
子実についている殻が取れにくいのが皮麦、取れやすいのが裸麦。
この定義でいうと六条大麦は皮麦となるのですが、一般的に皮麦というと二条大麦のことをいいます。
裸麦は耐寒性が弱いため西日本での栽培が多く、皮麦は寒さに対して一定の耐性があるため関東より北の地域で栽培されています。
出典:イネゲノムと未来
8.大麦の栽培方法
大麦の種まきには直接畑に種をまく直播きという方法をとります。
種まきの季節は秋。となると当然寒い冬を越えなければいけません。
出典:サカタのタネ
そこで必要になるのが麦踏みという工程です。
麦踏みとは
あえて麦の茎を曲げたり傷つけたりすることで、麦が土から水分を吸い上げる力を弱めます。
こうすることで麦に含まれる水分が少なくなり、冬の寒さや乾燥に強くなるのです。
昔は文字通り足で麦踏みを行っていましたが、今ではトラクターにローラーをつけて行われることが多いです。
9.大麦若葉で未来の健康に投資!
現代の日本は少子高齢化が進んでおり、将来の働き手が足りなくなるのではないかと懸念されています。
定年の延長はもちろん、年金の支給開始が引き上げられるのでは? という噂もあるほど。
健康を保つための方法論はこれからますます注目が集まるはず。
大麦若葉も今以上に注目が集まることは想像に難くありません。
大麦栽培はこれからの成長が期待される産業であることは間違いないでしょう。