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脂質とは何か?その役割や食品・栄養価をわかりやすく解説!

投稿日:7月 12, 2017 更新日:

脂質

バターなどの脂、揚げ物をつくる食用油などの油は、脂質とよばれる栄養素をたくさん含む食べ物です。

そのほか、肉や魚にも脂質は含まれています。

脂質は炭水化物(糖質)、たんぱく質とともに、人が生きていくために必要な三大栄養素の1つですが、不足よりは、とりすぎが心配される栄養素といってよいでしょう。

脂質にはどのような役割があるのか、また、どのように脂質をとればよいのかをみていきましょう。

1. 脂質

脂質は水に溶けない物質です。

三大栄養素の1つですが、栄養素としての働きのほかに、水に溶けないビタミン(A、D、E、Kなど)の吸収を助けています

脂質

カロリーは三大栄養素のうち最も高く、脂質1グラムあたり9kcalです。

炭水化物(糖質)やたんぱく質が 1 gあたり 4 kcalであるのと比較すると、効率よいエネルギー源といえるでしょう。

言い換えれば、炭水化物(糖質)やたんぱく質と同じだけの重さの脂質をとっても、エネルギー量は2倍以上になります。

食事のカロリーをコントロールする場合は、脂質の量に気を配ることが必要そうですね。

 

2. 脂質の種類と働き

脂質には

  • 単純脂質
  • 複合脂質
  • 誘導脂質

といった種類があります。これらの脂質は体の中でさまざまな働きをしています。

2.1 単純脂質

単純脂質がいちばん基本的な脂質で、グリセロール脂肪酸からできています。

この脂肪酸は水に溶けにくいため、単純脂質は水には溶けません。

代表的な単純脂質はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準である中性脂肪で、グリセロールと脂肪酸からできています。

健康診断

食べ物の脂質もグリセロールと脂肪酸からできていますが、食べた脂質がそのまま体の中に入るのではありません。

食べ物からとった脂質は、胆汁酸と混ざって小さくなり、膵液の中のリパーゼという消化酵素により、脂肪酸とグリセロールに分解されて、吸収されます。

吸収された後は、再度、体の中で結合して中性脂肪になり、脂肪組織皮下脂肪内臓脂肪として蓄えられます。

脂肪組織は、体や内臓を外からの力が加わったときに守るクッションのような役割や、体温を守る役割を担っています。

 

この脂肪組織は、糖質でエネルギーがまかなえなくなったときに、エネルギー源としても使われます

体重50 kgの人が体脂肪率20%であるなら、脂肪組織は10 kgありますので、90000 kcalが蓄えられていることになります。

 

2.2 複合脂質

複合脂質は、グリセロールと脂肪酸だけでなく他の物質(リン酸、糖、塩基)がついているものです。

他の物質がついているため、水にも油にも溶ける性質のものが少なくありません。

複合脂質のうち、リン脂質は細胞膜をつくる成分で、物質の出入りを調節する働きがあります。

 

2.3 誘導脂質

誘導脂質というのは、コレステロールやコレステロールに似ている脂質で、脂質の消化に必要な胆汁酸や、性ホルモンがこれにあたります。

単純脂質や複合脂質とは異なり、コレステロール骨格という構造をもっています。

 

3. 脂肪酸

脂肪酸

単純脂質をつくっている脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けることができます。

脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の組み合わせからできていますが、いくつものCが1本につらなっている構造をしています。

そのCとCが1つの手でつながっているのが飽和脂肪酸で、2つの手でつながっている部分があるのが不飽和脂肪酸です。

脂肪酸の種類により、食べる量を増やすべきものと減らすべきものがあります。

また、リノール酸α-リノレン酸は、人の体の中ではつくることができない脂肪酸であるため、食べ物からとることが必要です。

 

3.1 飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、CとCが1つの手でつながっていますので、これ以上つながることができない「飽和」の状態になっています

動物性の食べ物、たとえば、牛肉には52%の飽和脂肪酸が、バターには62%の飽和脂肪酸が含まれています。

イメージとしては、固体の「脂」と考えるとよいでしょう。

飽和脂肪酸のとりすぎは、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが高まりますので、注意が必要です

 

3.2 不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは異なり、CとCが2つの手でつながっている部分があるため、そのうち1つの手を離せば他のものとつながることができる「不飽和」の状態の脂肪酸です

2つの手でつながっている部分を「二重結合」といいますが、この二重結合の位置や数によって、さらに分類されています。

 

二重結合が端から3番目のCの位置に最初に出てくるのがn-3系不飽和脂肪酸」、端から6番目のCの位置に最初に出てくるのがn-6系不飽和脂肪酸」とよばれています。

 

3.2.1 n-3系不飽和脂肪酸

食用油

食用油に含まれるα-リノレン酸や、魚に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)が知られています。

α-リノレン酸は体の中に入ると、一部がEPAやDHAに変わります。

これらのn-3系不飽和脂肪酸は欠乏すると皮膚炎などが起こるため、積極的にとりたい脂肪酸です。

 

3.2.2 n-6系不飽和脂肪酸

疾患

日本人がとるn-6系不飽和脂肪酸の98%がリノール酸で、体の中ではつくることができないため食べ物からとっています。

通常の生活をしている場合は欠乏することはないといってよいでしょう。

植物油に含まれ、コレステロールを下げる働きがありますが、よい働きをするHDLコレステロールも下げてしまうため、とりすぎないことが大切です

また、飽和脂肪酸と同様に、n-6系不飽和脂肪酸のとりすぎは、虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが高まりますので、注意が必要です

 

4. 主な脂質の食品

バター

それでは1日に必要な脂質の量はどのぐらいなのでしょうか。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」では、男性・女性とも、脂質は摂取エネルギーの20~30%をとることが目標とされています。

たとえば、1日に1600 kcalが必要な人の場合には、たんぱく質として320~480 kcalをとることが目標とされますが、脂質は1 gあたり9 kcalですので、35~53 gを目標にするとよいでしょう。

また、脂肪酸の量にも目安があります。飽和脂肪酸は摂取エネルギーの7%以下ですので、1日に1600 kcalが必要な人の場合には、112 kcal(=12.4 g)を超えないという基準になります。

なるべく控えることが必要でしょう。n-3系不飽和脂肪酸とn-6系不飽和脂肪酸については、表を参考にしてください。

●n-3系不飽和脂肪酸の食事摂取基準

n-3系不飽和脂肪酸の食事摂取基準
年齢(歳) 男性目安量(g/日) 女性目安量(g/日)
18~29 11 8
30~49 10 8
50~69 10 8
70 以上 8 7

●n-6系不飽和脂肪酸の食事摂取基準

n-6系不飽和脂肪酸の食事摂取基準
年齢(歳) 男性目安量(g/日) 女性目安量(g/日)
18~29 2.0 1.6
30~49 2.1 1.6
50~69 2.4 2.0
70 以上 2.2 1.9

脂質を含む食べ物にはいろいろなものがありますが、加工食品の場合は、パッケージに脂質の量が書かれていますので、参考にしてもよいでしょう。

素材自体100 gあたりどのぐらいの量の脂質が含まれているかは、表「食べ物に含まれる脂質の量(100 gあたり)」を参考にしてください。

n-3系不飽和脂肪酸を積極的にとるためには、を食べることをおすすめします

●食べ物に含まれる脂質の量(100 gあたり)

食べ物 脂質の量(100 gあたり)
油類 100.0
バター 81.0
マヨネーズ 75.3
10.3
牛乳 3.8
牛肉(バラ) 50.0
牛肉(ヒレ) 15.0
鶏(ササミ) 0.8
まぐろ(脂身) 27.5
まぐろ(赤身) 1.4
さんま 24.6
さば 12.1

 

5. コレステロール

卵

コレステロールも脂質の1つですが、体内でつくることができるため、食べ物からの摂取量の増減にあわせて体内でつくられる量が調節されています。

脂質異常症などでコレステロールの多い食べ物(卵類)を制限されることはありますが、通常の場合は特に摂取量の目安はありませんので、むやみにとり過ぎないよう意識するとよいでしょう

 

日本人の脂質の摂取量は摂取カロリーのおよそ25%ですので、ほとんどの人では摂取基準を満たしている状況です。

かえって脂質のとり過ぎはカロリーオーバーにつながりますので、気をつけることが必要ですね

脂質に含まれる脂肪酸には種類があり、積極的にとりたいのはn-3系不飽和脂肪酸です

n-3系不飽和脂肪酸は、に多く含まれますので、積極的に食卓に取り入れてはいかがでしょうか。

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